星 の て が み

ソロモンの指輪

久保 丈子

 
もし…天より、
「後にも先にも、たった一つだけ、 あなたの願いを叶えてあげましょう。」
という声が舞い降りてきたなら…。

私は、迷わずに、「ソロモンの指輪をお与えください!」と即答します。

人間は、なぜ、他の動植物とお話することができないのだろうか?と
真剣に思い悩んでいた幼少期の頃、
ソロモンの指輪の物語を読み、すっかりと、その存在の虜になって過ごしたものです。

大人となった今、人は、動植物はもちろんのこと、
同じ人間同士でも、コミュニケーションをとるということに、細心の注意と、最大の努力と、
至極の愛情を持って、臨まねばならないということを学びました。

そして、何より、ソロモンの指輪は存在し、
この地球上のあらゆるものの中に光輝いているように感じています。

その存在を見つけることも、その存在に触れることも…。
全ては自分の心の在り方しだいのように思えてきました。

たった一つの願いが叶うことを許され、おぼろげな希望が、確かな確信へと変るその時まで…
私の指輪探しの旅は続きます。
  
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