星 の て が み

「野に咲く草花にも『お陰一杯』

  田尻 清子[たじり せいこ]

 
 
大自然の計らいのまま、さからうことなく素直に生きる野辺の草花達の
風が吹けば風になびき 雨が降れば雨にぬれ 雪が降れば雪にうもれ
人に踏まれても 折られても 捨てられても 忘れられても、
たくましく芽を吹き 葉を茂らせ 花を咲かせ 実をつけながら種族存続に、
これ務めている姿は調和そのままのあかしで、見事な演出で共存共栄の営みを
やってのけるのには只、目を見張ってしまいます。

地上が冬景色になって寂しくなった頃、地下では、栄養分をしっかり貯え、
互いに張りめぐらせたもろもろの根が仲良く支え合って芽吹くときを
じっと待つ姿勢をとっているかと思うと、共に堪える事のすばらしさを学ばせて貰います。

いざ親許を離れることが来たと、しっかり育った果実が、吹いてきた風にのって
遠くに運んで貰ったり動物や人にくっついて行ったり 地に落ちて成長することを選んだり
様々なかかわりの中で成就していくのを見る時、大自然の腕の中に包まれていることを
感じます。

気が弱くなりそうな時、疲れそうになった時、怠け心が出た時、
こうして、いつも野辺の草花たちに教えられ覚されています。
  
 

プロフィール

1926年、東京の小石川に生まれる。

野草料理研究家自身の主催する野草の会「すみれ会」
など4つのサークルで、フィールドワークを含めた
野草料理講座を開催。
 
地域の老人大学講座や小さな子を持つ親の会などの
依頼を受けて生涯学習の講師としても活躍中。
家庭薬草指導員、民間薬指導員の資格をもち、
自宅で民間療法に用いる野草について
教えるかたわら野草探訪。
 野草料理の会、野草学講座と東奔西走の忙しい毎日。
 
[著書]
花を味わう(テレビ朝日コンテンツ事業部)