星 の て が み

不思議アートのぞき箱

園田 高明
 

ー万華鏡伝道師の誕生ー多くの人々が子ども時代に玩具として親しんだ万華鏡(kaleidoscope)は、1816年スコットランドの物理学者ブリュースター博士(Sir David Brewster)によってそのしくみと名前が最初に考案されました。
ギリシャ語の [χαλοξ:美しい] [ειδοξ:形] [σχοπεω:見る] を語源とする万華鏡は、近年、現代アートとしてルネッサンス期を迎えて、人間が古代から培って来たふたつの感性(サイエンスとアート)融合した華麗な作品が次々と誕生しています。

2002年秋、私は通常の筒型万華鏡とはまったく異なった立方体万華鏡に出会い、たちまちこの不思議な箱型万華鏡の虜になりました。以来、世界各地の老若男女、特に、施設や病院で障害や難病を抱えながら懸命に生きているお年寄りや子どもたちを訪問して、箱型万華鏡を一緒に作って楽しむワークショップの旅を続けています。

そんなある日の朝、我が家の前で挨拶を交わした隣人であるイエズス会・福音の光修道院のシスターいわく「うちはカトリックだけど、先生のところは〝まんげきょう゛ね!」一瞬、私はこの挨拶の意味を理解できず、すたすたと過ぎ去っていくシスターの後ろ姿に唖然としました。

けれども、自作ののぞき箱万華鏡をのぞいた〝万〝人の顔に喜びと驚きの〝華〝が咲くーその瞬間に、ワークショップ参加者といっしょにアートを楽しんでいる私の姿を、見事に言い当てた彼女の言葉の意味をすぐに理解して頷きました。

2003年末に福岡で立ち上がった「UAPふくろうの会」に集う私たちは、老若男女、国籍、障害度、健常度などの人間の個性の違いや生まれ育った社会環境や文化の違いにかかわらず、万人が共感できる芸術をユニバーサルアート(Universal Art)と名づけています。

私たちは、箱形万華鏡をユニバーサルアートのひとつと位置づけ、地球規模の人間交流と地域に密着した市民活動を促進するために、万華鏡や各種創作アートに親しむ場所作りと啓蒙のためのプロジェクト(Project)を推し進めています。

このためには、従来の芸術、科学、工学、教育といった専門分野の壁を取り払った融合的な知識と新しい感性が必要となりますが、何よりも 〝和をもって貴しとなす
〝芸術精神を鼓舞することを私たちは心がけています。

芸術の守護神である女神ミネルバの肩にとまった梟(ふくろう)は、世界が闇に包まれ始めると、森へ向かって飛び立ちます。戦いで乱れた世の人々の荒れた心を癒すために、人間が培った最も高貴な技である芸術活動がその役割を果たそうとする時には、自由や平等の精神のみならず、友愛の精神こそが貴ばれ育まれるべきであると考えるからです。

以来、UAPふくろうの会の私たちは、この箱型万華鏡を「不思議アートのぞき箱」と名づけ、万華鏡伝道師を自称しながら不思議な巡り合いの旅を世界各地の友人たちといっしょに続けています。

その後、この万華鏡のルーツは、当時東京芸大一年生であったヤマザキミノリさんの1974年の作品CUMOS(キューモス:Cubic Cosmos 箱の中の宇宙)であることが分かりましたが、ヤマザキさんも今では万華鏡伝道師として大活躍しています。

http://www.uap-fukuro.com

  
 

プロフィール

UAPふくろうの会代表。 

IPA(子どもの遊ぶ権利のための世界協会
        ーUNICEF/UNESCO諮問団体)会員。
自称万華鏡伝道師として小型大型箱型万華鏡や
デジタル電子万華鏡を手作りする楽しさを
老若男女に紹介する東奔西走の日々を過ごしています。

●連絡先:UAPふくろうの会 事務局  
〒818-0117 福岡県太宰府市宰府3-4-31(蛇の目うさぎ)  
TEL: +81-(0)92-403-7211 
 FAX: +81-(0)92-923-7893  
e-mail: sonoda@uap-fukuro.com